電車で輪行する際のルールとマナー|サイズ規定・置き場所・失敗しないコツ

2025年12月23日by 多摩バイクプラス
みどり湖駅のホームで輪行袋と到着する電車を一緒に撮影
旅の始まりと終わりは、駅で。時間を味方につけ、優雅な輪行を目指しましょう。

🚃 これだけ覚えておけば大丈夫! 電車で輪行する際の「鉄則」とマナーを知っておこう!

「輪行(りんこう)のルールって難しくなったの?」「何が正解か教えてほしい」—近年、私たちサイクルショップにもこのようなご質問が増えています。

輪行ブームで規制が厳しくなったという誤解もありますが、実は鉄道各社が定めている「手回り品」としてのルール自体に大きな変更はありません。ルールはシンプルです。

「ルールよりも『目立ちすぎない』気遣いが大事」
初めて輪行した時、袋が予想以上に大きくて駅の改札を通るだけでドキドキしました。でも、ルールをしっかり守って「隅っこ」を意識するだけで、駅員さんや他のお客さんも温かく見守ってくれることに気づきました。大切なのは『お邪魔します』という気持ちですね。(スタッフS)

大切なのは、「ルールを守ること」そして「周りの方への配慮(マナー)」です。この二つさえ守れば、輪行は誰でも楽しめる最高の旅の手段になります!

輪行旅の準備ガイド(まとめ)👉


まず揃えるべき輪行袋は「前後輪外し」タイプ

輪行袋には「前後輪を外すタイプ」と「前輪のみ外すタイプ」がありますが、私たちがお勧めするのは「前後輪を外して完全に収納するタイプ」です。

「新幹線や特急に乗るなら、迷わず『前後輪外し』です」
前輪だけ外すタイプは楽ですが、置いた時にハンドルがかなり横に張り出します。混んでいる車両だと、この「数センチの差」がかなり気まずい思いをすることに……。最初からコンパクトな前後輪外しに慣れておくと、どこへ行くにも安心ですよ。(スタッフK)

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輪行の鉄則:サイズ規定と「完全収納」

JR東海のホームページよりダウンロードした手回り品のご案内のポスター
駅で掲示されている「手回り品」の案内。特に「完全収納」が鉄則です。

輪行のルールで最も重要で誤解されやすいのが、この「完全収納」と「サイズ」です。 ハンドルやタイヤなどが少しでもバッグからはみ出している状態や、 分解・折り畳みをせずに剥き出しのまま持ち込むのは、明確なルール違反となります。

ルールの要点 専門家のアドバイス
サイズ・重量の上限 3辺合計が250cm以下、重量30kg以下。このため「前後輪外し」が推奨されます。
分解・折りたたみ 必ず行い、許容サイズまで小さくすること。「分解しないまま袋に入れる」は不可。
専用の袋に収納 専用の輪行袋を使用すること。 ポリ袋やビニールシートで覆うだけでは認められません。
完全に収納する ハンドル、サドル、ペダルなど、全ての部品が袋の中に収まっていること。
「『サドルが出てるよ』と声をかけられたことも……」
昔、少しだけサドルがはみ出した状態でホームを歩いていたら、駅員さんに丁寧に注意をされたことがあります。自分では『これくらい』と思っても、公共の場ではルールが絶対。今は必ずチャックが最後まで閉まっているか指差し確認しています!(スタッフM)

列車内での輪行袋の賢い置き場所とマナー

コンパクトに収納しても、輪行袋は他の乗客の荷物と比べて大きく、目立ちます。 「通路を塞がない」「出入りの邪魔になる」「転倒して危険」を避けるため、乗車したらすぐに“置ける場所”を確保するのがベテランのコツです。

電車の先頭車両のスペースに輪行袋を置いた様子
最も安全で邪魔にならないのは、先頭・最後尾車両の運転台うしろ。
「私は必ず『最後尾』の車両まで歩きます」
駅の階段から近い車両は混みますが、一番端まで行くとスペースが空いていることが多いです。歩く距離は増えますが、乗っている間ずっと周りに気を遣ってヒヤヒヤするより、端っこでドッシリ構えられる方が旅の疲れも取れますよ。(ほとんどのスタッフ)

✅ おすすめの置き場所(車両タイプ別)

新幹線の「特大荷物スペース」は超快適ですが、事前予約が必須ルールなのでご注意を。在来線の車椅子スペースは「優先」が大前提。必要になったらすぐ譲れる配置を心がけてください。


駅構内での輪行作業場所は「迷惑にならない場所」を選ぶ

「改札の目の前、は絶対にNGです」
早く自転車を出したい気持ちはわかりますが、改札付近は人の流れが急に変わります。以前、ベンチの横で作業していたらお年寄りの方の歩行を邪魔しそうになり、猛省しました。今は『誰もいない柱の裏』や『点字ブロックから遠い隅』を定位置にしています。(スタッフM)

駅構内での移動は「凶器」にならないよう細心の注意を

駅のコンコースやホームでは、輪行袋の中にはゴツゴツとした「固い自転車の部品」が入っていることを忘れないでください。周囲の人はその固さを認識していません。

「『すみません』の一言で空気が変わります」
大きな袋を担いでいると、どうしても威圧感を与えてしまいます。エレベーターに乗る時や狭い通路ですれ違う時、「すみません、通ります」「ありがとうございます」と声を出すだけで、周りの方の反応がぐっと柔らかくなります。マナーは言葉からも始まりますね。(スタッフS)

輪行は時間との戦い!必ずゆとりを持って行動を

「発車5分前に駅に着いて、絶望したことがあります(笑)」
慣れていても、慌てると作業ミスをします。エンド金具がうまくハマらなかったり、紐が絡まったり……。結局その時は電車を一本見送りました。それ以来、駅には『30分前着』がマスト。余った時間で駅弁やご当地飲み物を買うのが今の楽しみです。(スタッフK)

輪行に自信がない方へ:使い方講習会のご案内

輪行袋の使い方講習会の告知画像

不安な方は、ぜひ一度、実際に輪行袋に自転車を入れる体験をしてみましょう。コツを知るだけで、当日の不安は半分以下になります。

参加方法をチェック👉


🔗 関連リンク:安全・快適な輪行のために


🤔 輪行についてのよくある質問(FAQ)

ロードバイク以外のクロスバイクやMTBでも輪行できますか?
はい、可能です。ただし、MTBはハンドル幅が広かったりタイヤが太かったりするため、ロードバイク用の輪行袋では収まらない場合があります。車種に合ったサイズの輪行袋を選び、事前に一度「完全収納」できるか試しておくことを強くおすすめします。
輪行袋に入れた状態なら、駅の構内を転がして移動してもいいですか?
NGです。 鉄道会社の規定では前後輪を外すタイプで「完全に収納された状態」で持ち運ぶことが求められており、「転がしての移動」は安全上の理由から禁止されている駅がほとんどです。基本は肩に担いで移動しましょう。
油圧ディスクブレーキ車で輪行する際の注意点は?
ホイールを外した状態でブレーキレバーを握ってしまうと、パッドが閉じて戻らなくなるトラブルが起きます。必ず「ダミーローダー(パッドスペーサー)」を差し込んで対策しましょう。また、自転車を逆さまに保持するタイプの場合は、エア噛み防止の対策も必要です。
輪行袋はどこに収納して走ればいいですか?
多くの輪行袋は、ボトルケージに収まるサイズに畳めるよう設計されています。サドルバッグの下に括り付けたり、バックパックに入れたりして持ち運ぶのが一般的です。
「FAQには載らない『裏』の重要ポイント」
実は一番大事なのは、輪行袋の使い方をマスターすることです。これに手間取ると駅のホームでパニックになります(笑)。家で3回練習するだけで、当日の余裕が全く変わりますよ! 講習会にもぜひご参加ください!(スタッフT)
河井 孝介(Kawai Kosuke)

河井 孝介(Kawai Kosuke)

バイクプラス多摩センター店店長自転車ショップ歴28年

社会人1年目、日本上陸直後のTREKのMTBと運命的に出会い、その魅力に開眼。その後、アウトドアショップで自転車販売に携わり、プロとしてのキャリアをスタート。2002年には沖縄県初のアウトドアショップ立ち上げに参画し、足掛け10年間、沖縄県におけるスポーツバイク普及の最前線で活動。その後、スポーツバイク普及の理念に共鳴したバイクプラスの出店拡大時に店長として参画し、現在に至る。本土復帰後は、鉄道好きが高じて輪行に傾倒。その知見を活かし、自転車情報サイトで輪行記事の連載を経験。現在は、廃線跡を巡る輪行の旅をライフワークとし、全国を回っています。予備自衛官としても活動する、一児の父。

専門/得意分野
  • ロードバイク/マウンテンバイク/クロスバイクの販売整備
  • 得意分野:輪行ツーリング/トレイルライド/自転車+撮影や廃線巡り/廃墟探索など/自転車を組み合わせた遊び方の探求
  • ライドスタイル:輪行旅/通勤ライド/ロングライド/グルメライド/ポタリング
保有資格
  • 自転車組立整備士合格
  • 自転車安全整備士合格
  • Keeperコーティング技術バイシクルコース終了
  • TREK プレシジョンフィッター認定
  • TREK University 2025認定ガイド取得